キャリアコンサルタントの外部委託は、従業員へのキャリア面談やキャリア相談を、社外の国家資格キャリアコンサルタント等に依頼する仕組みです。転職が当たり前となった中で、企業には従業員のキャリア自律支援やエンゲージメント向上が求められるようになりました。
社内の上司や人事によるキャリア面談や1on1も有効な施策ですが、従業員にとって、上司や人事は利害関係者は安心して本音を喋れないという心理的ハードルや工数の問題が生じがちです。そこで増えているのが、社外の第三者にキャリア面談を任せる外部委託という選択です。
本記事では、キャリアコンサルタントの外部委託に関する概要や、内製化との違い、メリット・デメリット、委託先を選ぶポイントを解説します。外部委託を検討中の人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
キャリアコンサルタントの外部委託とは
キャリアコンサルタントの外部委託を検討するにあたり、まずはキャリアコンサルタントの役割や、似た名称との違いを整理しておきましょう。
まずはキャリアコンサルタントの基本的な定義、キャリアコンサルティング技能士・キャリアカウンセラー・キャリアアドバイザーとの違い、企業が外部委託する主なパターンや委託方法を確認します。
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルタントは、働く人の職業選択やキャリア形成、能力開発などを支援する専門家です。国家資格であり、試験に合格して登録した人だけが「キャリアコンサルタント」を名乗ることができる名称独占資格です。
企業においては、従業員のキャリア自律支援や離職防止、管理職・ミドルシニア層のキャリア支援などに活用されています。
キャリアコンサルタントは、転職を促す存在ではありません。本人がこれまでの経験や価値観を整理し、今後の働き方や社内での役割、成長の方向性を考えられるように支援する役割を担います。
キャリアコンサルティング技能士との違い
キャリアコンサルティング技能士は、キャリアコンサルティングの実務スキルを証明する国家検定です。1級と2級があり、1級は指導者レベル、2級は熟練レベルとされています。
ただし、キャリアコンサルティング技能士の資格を持っているだけでは「キャリアコンサルタント」とは名乗れません。キャリアコンサルタントを名乗るには、国家資格キャリアコンサルタントの合格・登録が必要です。企業が外部委託する際には、対応者がどの資格を保有しているかを確認しておくとよいでしょう。
キャリアカウンセラーとの違い
キャリアカウンセラーは、キャリアコンサルタントと近い意味で使われる呼称ですが、資格名ではありません。キャリア相談を担う人を広く指す一般的な言い方として用いられることが多いのが特徴です。
たとえば、大学などのキャリアセンターやハローワークの相談員が「キャリアカウンセラー」と呼ばれているケースも多いでしょう。また、キャリアアドバイザーと同じく、民間の人材紹介会社や派遣会社のスタッフを指して使われることもあります。これらの現場でも、国家資格キャリアコンサルタントやキャリアコンサルティング技能士の有資格者が、キャリアカウンセラーという肩書きで雇用・委託されているケースも多く見られます。
キャリアアドバイザーとの違い
キャリアアドバイザーは、人材紹介会社や転職支援サービスで、求職者対応を行う担当者の名称としてよく使われる名称です。「キャリアコンサルタント」という名称は有資格者しか使えないため、民間の人材紹介会社では、求職者の相談に乗る担当者をキャリアアドバイザーと呼ぶケースが多く見られます。
人材紹介会社における求職者対応は、転職支援を前提とした業務であり、有資格者が対応しているとは限りません。そのため、従業員のキャリア形成支援などを目的とするキャリアコンサルティングとは役割や目的が異なります。
企業がキャリアコンサルタントを外部委託する主なパターン
企業がキャリアコンサルタントを外部委託する場面は多岐にわたります。代表的なパターンとしては、以下のようなケースがあります。
・社員のエンゲージメント向上や定着支援を目的に、社外キャリア相談窓口を設置するケース
・キャリア研修やリーダー研修前後の個別面談を委託するケース
・特定年次の従業員に実施するキャリア面談を外部委託するケース
・セルフ・キャリアドックの運用として、定期的なキャリア面談を実施するケース
とくに多いのは、社外向けのキャリア相談窓口を運用するケースや、キャリア研修等と組み合わせて実施するケース、また特定の年次で実施するキャリア面談を外部委託するようなケースです。
キャリア面談やキャリアカウンセリングを外部委託する方法
キャリア面談やキャリアカウンセリングを外部委託する方法は、大きく分けて3つあります。
・法人向けのキャリア面談サービスに依頼する
・研修会社や人材開発会社に、研修と個別面談をセットで依頼する
・個人の国家資格キャリアコンサルタントに業務委託する
委託先を選ぶ際には、対応者の資格の有無、対応可能な人数、守秘義務の体制、レポートの内容、運用支援の範囲などを事前に確認しておくことが重要です。特に従業員数が多い企業や、継続的なキャリア面談を実施したい企業では、面談品質だけでなく、導入後に無理なく運用できる体制かどうかも確認しておく必要があります。
キャリアコンサルタントに外部委託する企業が増えている背景
近年、キャリアコンサルタントへの外部委託を導入する企業は増えています。背景には、キャリア自律の重要性の高まり、離職防止やエンゲージメント向上といった経営課題、また内製することの工数や専門性の限界があります。ここでは、外部委託が注目される3つの背景を解説します。
キャリア自律の重要性が高まっている
終身雇用が崩壊し、転職が当たり前の選択肢となる中で、会社にキャリア形成を委ねる時代から、従業員自身が主体的にキャリアを考える時代へと変化しています。政府もリスキリングやセルフ・キャリアドックなどの施策を通じて、個人のキャリア形成支援を推進しています。その中で、企業でも、従業員の成長促進や定着、エンゲージメント向上を目的に、キャリア自律を支える仕組みづくりが求められるようになりました。
こうした中で注目されているのが、個別面談を通じた支援です。一人ひとりのキャリアビジョン形成や内省を促すには、集合研修だけでなく、個別に対話する機会が重要です。社外のキャリアコンサルタントによる面談は、有効な手段の一つとして活用されています。
離職防止・エンゲージメント向上が経営課題になっている
若手社員や中堅社員、優秀人材の定着に課題を感じる企業は増えています。
上述の通り、転職を通じたキャリア形成が一般化し、ジョブ型雇用やスペシャリスト採用も広がる中で、従業員は「この会社で働き続けることで、自分のキャリアにつながるのか」を以前よりも強く意識するようになっています。キャリアの見通しが持てない「キャリア安全性」が欠如している状態は、モチベーションの低下や離職につながりやすくなります。
こうした課題に対して、人事制度の整備も重要ですが、従業員自身が「自分のキャリアを主体的に考える」「社内にある機会に気づいてもらう」「自分の状態を内省してもらう」ことが大切です。
上司や人事によるサポートも有効ですが、キャリアに関するテーマは社内の人には本音を話しにくいケースも少なくありません。転職の検討、異動や評価への不満、人間関係の悩みなどは、評価や人間関係への影響を気にして社内には本音を言いづらいテーマになりがちです。
社外の専門家であれば、評価や社内の人間関係を気にせず本音を話しやすくなります。本音で話せる相談機会を設けることで、感情や思考が言語化され、内省が進み、前向きな意識変化につながることが期待できます。
人事部門だけで対応するには工数・専門性に限界がある
従業員一人ひとりと継続的にキャリア面談を行うことは、人事部門や管理職にとって大きな負担です。対象人数が増えるほど、面談の実施や日程調整、記録作成などに多くの時間と労力が必要となります。
また、キャリア面談には傾聴力や質問力に加え、キャリア支援に関する専門的な知識も求められます。社内の担当者だけで対応しようとすると、面談品質にばらつきが出やすく、また特定の人事担当者に情報が集中するリスクや、継続性の担保などに課題も生じがちです。
こうした工数と専門性の両面での限界が、外部のキャリアコンサルタントに委託する企業が増えている背景の一つとなっています。
キャリア面談の外部委託・内製化のメリデメまとめ
キャリア面談を外部委託・内製化のメリットデメリット(注意点)を大枠でまとめると下記の形です。次章から細かく外部委託・内製化のメリット・デメリット(注意点)を詳しく説明します。どちらが優位ということではなく、目的に合わせて組み合わせて運用することが大切です。
| 項目 | 内製(上司・人事) | 外部委託(キャリア面談サービス) |
| 心理的安全性 | × 評価への影響を懸念されやすい | ◎ 利害関係がないため本音を話しやすい |
| 専門性・面談品質 | △ 担当者のスキルにばらつきが出やすい | ◎ 国家資格キャリアコンサルタントなどの専門家に相談できる |
| 業務理解 | ◎ 事業や組織、人事制度を理解している | × 社内制度や現場事情の共有が必要、理解にも限界がある |
| 人事・管理職の負担 | × 面談実施や日程調整の工数負担がある × 管理職の面談スキル醸成、人事での継続運用には課題が生じやすい |
◎ 面談運用を任せられ、負担軽減につながる |
| 向いている目的 | 社内制度への連携やマネジメントへの反映など、相談者のビジョンがある程度明確化された後の直接的な支援 | もやもやとした悩み、複数の感情・選択肢があり、悩んでいる状態からの整理や内省促進、ビジョン形成 |
キャリア面談の内製化メリット
キャリア面談を社内で実施する「内製化」には、外部委託にはない強みがあります。社内の人間が担当するからこそ、制度や業務への理解を踏まえた支援がしやすく、面談後の具体的なアクションにもつなげやすい点がメリットです。また、キャリア支援を社内で継続することで、ノウハウや知見が組織内に蓄積されていきます。
社内事情や制度を踏まえた支援がしやすい
キャリア面談を内製化する最大のメリットは、社内の人事制度や評価制度、キャリアパス、配置転換の仕組みを理解したうえでヒアリングやアドバイスができることです。面談を担当する上司や人事担当者は、従業員の業務内容や職場環境を理解しているため、相談内容に対して具体的かつ実情に沿ったアドバイスがしやすくなります。
たとえば、「別の部署に挑戦してみたい」という相談に対しても、社内の異動制度や過去の事例を踏まえた案内ができるのは、社内で実施するからのメリットです。
相談後の行動支援につなげやすい
キャリア面談を内製化するメリットとして、相談後の具体的なアクションにつなげやすいことがあります。面談で把握した本人の希望や課題をもとに、社内制度の活用をアドバイスしたり、上司面談を設定したりといった直接的な支援に連携しやすくなります。
また、本人の意向を踏まえて業務アサインや育成計画を検討しやすいこともメリットです。必要に応じて上司や人事が継続的にフォローできるため、面談で終わらない一貫した、また直接的な支援体制を組みやすいでしょう。
社内にキャリア支援のノウハウが蓄積される
キャリア面談を内製化すると、面談やキャリア支援の経験やノウハウが社内に蓄積されていきます。従業員がどのようなキャリア不安を抱えているのか、どの年代や職種でどのような悩みが出やすいのかといった傾向も把握しやすくなり、育成施策の見直しやマネジメント改善にも活かしやすくなります。
中長期的には、自社の文化や人事制度に合ったキャリア支援体制を整えやすくなる点も、内製化のメリットです。外部に依存しすぎず、自社の中でキャリア支援の基盤を育てていきたい企業にとっては、大きな利点といえるでしょう。
キャリア面談を内製化するデメリット・課題
キャリア面談の内製化にはメリットがある一方で、デメリットや課題もあります。社内の人間が面談を担当するからこそ生じる構造的な問題があり、理解したうえで内製化と外部委託のバランスを検討することが大切です。
従業員が本音を話しにくい
キャリア面談を内製化する上で最大の課題は、従業員が本音を話しにくいという点です。上司や人事が面談の相手となると、評価や異動への影響を気にして、率直な気持ちを伝えづらくなります。
キャリアに関するテーマには、転職の検討や異動希望、職場の人間関係の悩み、ワークライフバランスへの不満など、社内の人には相談しづらい内容が少なくありません。本音を話せなければ内省は深まりにくく、面談やアドバイスは表面的なものにとどまりがちです。結果として、面談が単なる近況確認や制度説明にとどまり、キャリア支援として十分に機能しないこともあります。
悩みが解消されないまま蓄積されると、転職サイトへの登録や人材紹介会社との面談といった行動につながることもあります。「社内で相談できなかった」ことが、結果的に離職リスクを高めてしまう可能性がある点が、内製化の大きな課題です。
面談品質がばらつく、安定運営しにくい
構造的に「本音を話しにくい」という状況下で質の高いキャリア面談を行うには、対応者に傾聴力や質問力といった面談スキルに加え、キャリア支援に関する理解が求められます。しかし、管理職が面談を担当すると、担当者ごとにスキルや対応方針にばらつきが出やすいのが実情です。
対策として、人事担当者がキャリアコンサルタント資格を取得して対応する方法もありますが、有資格者を継続的に育成できるか、特定の人に情報が集中しないか、相談内容の扱いをどう管理するかといった運用課題もあります。面談品質を安定させながら継続的に運営していくことは、内製化における難しさの一つです。
面談の実施・運用工数が大きい
管理職による面談だけでは、前述のとおり本音を話しにくい、品質にばらつきが出るといった課題が生じやすくなります。一方で、人事担当者が全社員と継続的に面談を行うことも、従業員数が増えるほど現実的には難しくなります。
対象人数が多くなるほど、面談の実施だけでなく日程調整や記録作成といった付随業務の負担も大きくなります。人事担当者や管理職が通常業務と兼務している場合はなおさら、継続的な運用が難しくなりやすい点も内製化の課題です。
キャリアコンサルタントに外部委託するメリット
キャリアコンサルタントを外部に委託するメリットは、社内では従業員が言いにくい本音を、利害関係のない第三者であれば引き出しやすい点です。それに加えて、面談品質の安定や、人事部門の工数削減、組織課題の可視化なども期待できます。外部委託によって得られる主な5つのメリットを紹介します。
従業員が本音を話しやすい
外部委託の最大のメリットは、従業員が本音を話しやすくなることです。面談相手が社外の第三者であれば、評価や異動への影響を気にせず、率直に悩みや不安を打ち明けやすくなります。上司や人事には話しにくいキャリアへの不安、転職の検討、職場の人間関係の悩みなども、利害関係のない相手であれば相談しやすいでしょう。
本音を言葉にすることで、感情や思考が整理され、内省が進んでいきます。モヤモヤしていた状態が言語化されると、「もう少し今の場所で頑張ってみよう」「まずは社内でできることを試してみよう」と、前向きな意識変化が生まれるケースも少なくありません。
専門性の高いキャリア相談を提供できる
外部委託サービスの中には、国家資格キャリアコンサルタントなどの有資格者が面談を担当するものが多くあります。外部の専門家に依頼することで、社内担当者の経験やスキルに左右されにくく、一定水準の面談品質を担保しやすくなる点がメリットです。
また、サービスによっては、相談者の業界経験や職種、相談テーマに応じた専門性を持つキャリアコンサルタントに面談を依頼できることもあります。ただし、対応可能な専門家の範囲はサービスごとに異なるため、自社の対象者や課題に合った専門家が在籍しているかを事前に確認しておくことが大切です。
相談者に合ったキャリアコンサルタントを選びやすい
外部委託サービスの中には、業界経験や職種経験、得意テーマなどを踏まえて、複数のキャリアコンサルタントから相談相手を選べるものもあります。相談者自身が「この人に話してみたい」と思える相手を選べると、面談への心理的なハードルが下がりやすくなります。
またキャリア面談は対話を通じて進めるため、スキルや経歴だけでなく、性格的な相性が面談の満足度に影響します。そのため、面談後に相性が合わないと感じた場合に、別のキャリアコンサルタントに変更できる仕組みがあるかどうか等も、サービスを選ぶ際に確認しておくとよいでしょう。
人事部門の工数を削減できる
面談業務を外部に委託することで、人事担当者や管理職は、制度整備や人材育成といったコア業務に集中しやすくなります。キャリア面談を人事部門で内製化すると、面談実施だけでなく、日程調整、面談記録、フォロー対応などの運用業務が発生し、対象人数が増えるほど負担は大きくなります。
外部に委託する場合、こうした業務の一部または全体を任せることができます。特に、日程調整から面談の運用までを委託できるサービスであれば、人事側の運用負担を大幅に抑えることができます。限られた人事リソースを有効に活用したい企業にとって、外部委託は有効な選択肢といえるでしょう。
個人を特定しない形で組織課題を把握できる
外部委託サービスの中には、面談内容を匿名化・集約し、組織全体の傾向を分析するレポートを提供してくれるものもあります。こうしたレポートを活用することで、キャリアへの不安、職場の人間関係、マネジメントに関する課題など、社内のアンケートや面談だけでは見えにくい従業員の本音を把握しやすくなります。
個人が特定されない形でレポートが提供されるものであれば、従業員の心理的安全性を保ちながら、組織としての課題を可視化できる点がメリットです。把握した課題は、育成施策の見直しや配置の検討、マネジメント改善など、具体的な打ち手につなげることができます。
キャリアコンサルタントを外部委託する際の注意点
外部委託にはメリットも多い一方で、導入前に把握しておくべき注意点もあります。主な注意点を紹介します。
費用が発生する
外部サービスを利用する場合、面談の実施や運用支援に応じた費用が発生します。料金体系はサービスによって異なり、月額定額制や面談回数や利用人数に応じて費用が変わる従量課金制などさまざまです。
導入を検討する際には、自社の導入目的や利用規模に合った料金体系かどうかを確認しておくことが重要です。また、費用だけで比較するのではなく、面談の品質、運用支援の範囲、レポートの有無、利用促進のサポートなども含めて確認するとよいでしょう。
社内制度との連携が弱いと効果が限定される
外部委託による面談だけで完結してしまうと、育成施策や配置転換、マネジメント改善といった具体的なアクションにつながりにくくなります。面談を通じて見えた課題を、社内の制度や人事施策とどう連携させるかが重要です。
たとえば、社内でのキャリア研修や上司との1on1、人事面談、異動制度などと組み合わせることで、外部委託の効果を高めやすくなります。外部委託はあくまで支援の一つであり、社内施策との連携を前提に設計することが大切です。
従業員に目的が伝わらないと利用率が伸びにくい
外部委託のキャリア面談を導入しても、従業員に目的が十分に伝わらなければ、利用率は伸びにくくなります。また、「相談した内容が評価に影響するのでは」といった不安を持たれると、利用をためらう従業員も少なくありません。
そのため、導入時には守秘義務が徹底されていることや、企業へのフィードバックは匿名化・集約された形で行われることなど、相談内容がどのように扱われるかを丁寧に説明する必要があります。また、導入後も社内報やメールでの定期的な案内、利用者の声の共有などを通じて、利用を促進する工夫を継続することが重要です。
キャリアコンサルティングの外部委託が向いている企業
キャリアコンサルティングの外部委託は、社内だけでは従業員の本音を把握しにくい企業や、キャリア自律支援・離職防止を強化したい企業に向いています。外部委託が特に向いているケースを6つ紹介します。
従業員が社内でキャリアを相談しにくい
「上司や人事との面談では、本音を話しにくい」といった声が従業員から聞かれる場合は、外部委託が有効です。社内の人間が相手だと、評価や人間関係への影響を気にして本音を話せないケースは少なくありません。
また、従業員数が多くなると、人事担当者だけで一人ひとりの相談に対応することにも限界が出てきます。守秘義務のある外部の第三者がキャリア面談を担当することで、従業員は評価や社内の人間関係を気にせず、安心して本音を話しやすくなり、悩みの整理や内省につながるケースも多くあります。
若手・中堅社員の離職防止に課題がある
離職理由を十分に把握できないまま、若手・中堅社員の離職が続いている企業にも、キャリアコンサルティングの外部委託は有効です。社内面談を行っても、相手が上司や人事である以上、評価や人間関係への影響を気にして本音を話しにくいという構造的な課題があり、不満がたまった時に外部の転職サービスに登録するという行動につながりがちです。
社外の第三者であれば、社内面談では見えにくいキャリアへの不安や職場への不満を引き出しやすくなります。早い段階で悩みを整理できれば、前向きな行動変容や定着支援につなげやすくなります。
管理職・ミドルシニア層のキャリア支援を強化したい
管理職やミドルシニア層は、役割の変化や今後のキャリアに対して悩みを抱えやすい層です。役職定年後のキャリア、専門職への転換、セカンドキャリアなど、社内では相談しにくいテーマも多く、外部のキャリアコンサルタントによる支援が有効な場面が多くあります。
面談を通じて本人の経験や強み、今後の役割を整理できれば、企業側も人材活用や配置、育成施策を検討しやすくなります。企業にとって重要である一方、キャリア支援が後回しになりやすい層でもあるため、外部委託を活用して支援体制を整えることは有力な選択肢の一つです。
キャリア研修やセルフ・キャリアドックを導入したい
キャリア研修は、従業員がキャリアについて考えるきっかけとして有効ですが、集合研修だけでは個別の悩みや状況に踏み込みにくいという面もあります。そのため、研修後に個別面談を実施し、学びを一人ひとりのキャリアプランに落とし込むことで、研修の効果を高めることが大切です。
セルフ・キャリアドックのように、研修と個別面談を組み合わせた支援を設計する際にも、外部委託は有効な方法です。社内リソースだけでは対応しにくい個別面談の体制を、外部のキャリアコンサルタントを活用して整えることで、キャリア支援の仕組みをスムーズに構築できます。
管理職の1on1能力を強化したい企業
従業員のキャリア支援は、外部委託だけでなく社内の取り組みと並行して進めることが重要です。その中でも特に重要なのが、管理職による1on1です。しかし、管理職自身がキャリア自律していない場合や、質の高い1on1を受けた経験がない場合、メンバーに対して効果的な1on1を提供することは難しくなります。
管理職自身が社外のキャリアコンサルタントとの1on1を体験し、キャリアについて考える機会を持つことで、「傾聴してもらう側」の感覚を理解でき、自身の1on1スキルの向上にもつなげやすくなります。
従業員の職種や年代が多岐に渡る
従業員の職種や年代が多岐に渡る企業も、キャリアコンサルティングの外部委託に向いています。キャリアの悩みは、職種や性別、年代、価値観、プライベートの状況などによって大きく異なります。
キャリア面談で扱うテーマも多岐にわたるため、面談を担当する側にもある程度の「理解」がないと、本音を話しにくいと感じる従業員も少なくありません。たとえば、若手社員はキャリア不安、管理職は役割変化や部下育成、ミドルシニア層では、今後の働き方や専門性の活かし方などがテーマになりやすいでしょう。
また、育児や介護との両立、ライフイベントに伴う働き方の変化などは、相手によっては相談しにくい場合もあります。女性メンバーが男性上司に対して、女性特有のライフステージに関する相談をしにくいと感じているケースは多いでしょう。
同様のことは、職種や年代の違いによっても起こりやすくなります。多様なバックグラウンドを持つキャリアコンサルタントが在籍する外部委託サービスであれば、相談者に合った相手を選びやすく、こうした課題に対応しやすくなります。
キャリアコンサルティングの委託先を選ぶポイント
最後に委託先を選ぶ際に確認しておきたい6つのポイントを紹介します。
国家資格キャリアコンサルタントが対応するか
委託先を選ぶ際、まず確認したいのは、面談を担当するのが国家資格キャリアコンサルタントやキャリアコンサルティング技能士などの有資格者かどうかという点です。有資格者のみが対応するサービスであれば、キャリア支援に関する一定水準の知識や面談スキルが担保されやすくなります。
資格の有無だけでなく、法人向けキャリア面談の実績や得意とする支援領域も確認しておくことが重要です。若手社員の離職防止、管理職の役割変化、ミドルシニア層のキャリア支援など、自社の課題やテーマに合った支援ができるかどうかを、導入前に見極めましょう。
登録キャリアコンサルタントの人数・経験が十分か
委託先を選ぶ際は、登録しているキャリアコンサルタントの人数や経験も確認しましょう。
登録しているキャリアコンサルタントの人数が多いほど、相談者に合った相手を選びやすくなります。若手、管理職、ミドルシニア、男性・女性、職種など、自社の対象者や相談テーマに合った経験を持つ国家資格キャリアコンサルタントが在籍しているかを確認しましょう。
対象となる従業員が多い企業では、複数拠点や大人数の面談に対応できる体制があるかも重要なポイントです。自社の規模や対象者の多様性に対応できるサービスかを事前に確認しておくことで、自社に合った面談体制を設計しやすくなります。
導入後の運用や利用促進まで支援してもらえるか
キャリアコンサルティングの外部委託では、導入後の運用支援も重要です。
面談の実施には、従業員への案内、予約受付、日程調整、実施状況の確認、利用後のフォローなど、さまざまな運用業務が発生します。そのため、委託先がどこまで運用を支援してくれるかを確認しておきましょう。また、従業員への案内や利用促進のサポートなどがあると、導入後の定着につながりやすくなります。
キャリア面談の外部委託は、導入して終わりではありません。人事担当者の運用負担を抑えながら、継続的に利用される仕組みになっているかという視点で、サービスの支援体制を確認することが大切です。
料金体系や費用が明確か
料金体系や費用が明確かどうかも、委託先を選ぶ際の重要な確認ポイントです。料金体系はサービスによって異なり、月額定額制や従量課金制など様々です。自社の利用規模や導入目的に合った料金体系かどうかを確認しておきましょう。
最初から全社導入するのではなく、トライアルから始めて段階的に拡大するケースも多いでしょう。そのため、トライアル導入から本展開へのステップを見据え、拡大時の追加費用なども事前に確認しておくことが大切です。
レポートや分析を組織改善に活用できるか
面談の実施だけでなく、どんなレポーティングをしてくれるかも重要なポイントです。キャリアへの不安、人間関係の課題、マネジメントに関する悩みなど、従業員の本音を可視化できると、人事施策の検討に活かしやすくなります。
レポートの粒度や提出頻度、改善提案の有無もサービスによって異なります。面談結果をどのような形で組織改善につなげられるかを事前に確認し、自社の活用イメージと合っているかを見極めておきましょう。
相談内容の守秘性が担保されているか
相談内容の守秘性が担保されていることは、外部委託先を選ぶうえで前提となるポイントです。
従業員が安心して本音を話せる環境を確保するために、個人の相談内容が上司や人事にそのまま共有されない仕組みになっているかを確認しましょう。あわせて、従業員が安心して本音を話せるよう、守秘義務の範囲を明確にしておくことも大切です。企業へのフィードバックが個人を特定しない形で行われるかどうかも含め、相談内容がどのように扱われるかを事前に整理しておきましょう。
導入時には、こうした守秘性の考え方を従業員にも分かりやすく説明しておくことが重要です。
キャリアコンサルタント外部委託サービス「Kakedas」
キャリアコンサルタントの外部委託を検討する際に、おすすめなのが日本最大級のキャリア面談サービス「Kakedas(カケダス)」です。Kakedasは、国家資格キャリアコンサルタントとのキャリア面談を通じて、従業員のキャリア自律支援や離職防止、組織課題の可視化を提供するキャリアコンサルタント外部委託サービスです。
「Kakedas」は法人向けキャリア面談サービス
キャリア面談サービス「Kakedas」は、従業員が国家資格キャリアコンサルタントとオンラインで1on1のキャリア面談を行える法人向けのサービスです。
従業員が本音を話せる心理的に安全な場を提供すると共に、面談データを活用して組織課題の改善にもつなげられる仕組みを備えており、従業員数数十名の中小企業から10,000名を超える大手企業まで幅広く活用されています。
Kakedasの主な特徴は以下の通りです。
・従業員1人あたり月額1,000円から導入可能
・トライアルから全社展開まで柔軟に対応可能な料金体系や実施キャパシティ
・日程調整から面談運用までプラットフォーム上で完結
・導入前の課題ヒアリングから導入後のレポート提供・組織改善提案まで継続サポート
日本最大級のキャリアコンサルタントが登録するプラットフォーム
Kakedasには、4,661人(2026年4月末時点・累計)の国家資格キャリアコンサルタントが登録しており、日本最大級の規模を誇ります。
IT企業の人事、外資系企業の経営企画、メーカーの役員経験者、エンジニア経験者、海外駐在経験者、産休・育休経験者など、多種多様な業界・職種・ライフステージのバックグラウンドを持つキャリアコンサルタントが揃っています。年代も20代から60代まで幅広いく、「自分と近い経験を持つ人に相談したい」「悩んでいるテーマに理解がある人を選びたい」といった従業員のニーズに幅広く対応できます。
社外の第三者だからこそ従業員の本音を引き出しやすい
Kakedasのキャリア面談は、社外の国家資格キャリアコンサルタントが担当します。利害関係のない第三者だからこそ、従業員は評価や社内の人間関係を気にせず、社内の上司や人事には打ち明けにくいキャリアの悩みや本音も、安心して相談できるようになります。
実際の利用者からは「もやもやしていたけれど、話してみたら自分の考えが明確になった」「社内でまだできることがあると気づけた」といった声が寄せられています。このように、本音を言語化することで内省が進み、前向きな変化につながるケースも少なくありません。
社内面談では引き出しにくい本音を把握できることが、離職防止やエンゲージメント向上にも寄与します。
従業員に合ったキャリアコンサルタントをマッチングできる
Kakedasでは、従業員自身が相談したいキャリアコンサルタントを選べる仕組みになっています。性格特性の分析をもとに、システムが10名のキャリアコンサルタントを候補として提案し、従業員がプロフィールや経歴を確認したうえで1名を指名する流れです。また、経歴やキャリア経験などのキーワードから検索して相談相手を探すこともできます。
「同じ業界出身の人に話を聞きたい」「育児と仕事の両立経験がある人に相談したい」など、従業員それぞれの希望に合わせて選べる点がKakedasの特徴です。自分で選んだ相手だからこそ、安心して本音を話しやすくなります。継続的に同じキャリアコンサルタントに相談することもできますし、別の視点を求めたい場合や合わないと感じた場合は、次回から自由に変更することも可能です。
個人を特定しないレポートで組織改善につなげられる
Kakedasでは、キャリアコンサルタントによるレポートと面談データを分析し、個人を特定しない形でデータレポートとして企業に提供します。従業員のキャリア不安や職場の人間関係、マネジメントに関する課題など、パルスサーベイなどの定量調査では見えにくい本音の傾向を可視化できます。
レポートには経年比較や他社比較を通じた状況把握に加え、改善施策に関する提案も含まれます。個人が特定されない仕組みだからこそ、従業員が安心して本音を話せる環境を維持しながら、組織としての課題把握と改善を両立できる点がKakedasの強みです。
Kakedasの導入事例
Kakedasは、従業員のキャリア自律支援や本音の把握を目的に、さまざまな企業で活用されています。ここでは、3社の導入事例を紹介します。
・株式会社ひろぎんホールディングス
株式会社ひろぎんホールディングスでは、従業員のキャリア自律支援を目的に、キャリア研修とKakedasのキャリア面談をセットで導入しています。研修と面談を組み合わせることで、従業員が自分のキャリアプランを具体化し、前向きなキャリア意識の変化につなげています。
詳しくはこちら:
https://corp.kakedas.com/customer_reviews/company/345/
・株式会社dinos
株式会社dinosでは、社員のキャリア自律を支援する施策としてKakedasを導入しています。社内にもキャリアコンサルタント資格を持つ社員はいるものの、キャリアの悩みは外部の第三者のほうが話しやすいという考えから、外部サービスの活用を決めました。利用者からは「自分のキャリアについて棚卸ができた」「社外のキャリアコンサルタントから客観的にアドバイスをもらえるのが良かった」といった声が寄せられています。
詳しくはこちら:
https://corp.kakedas.com/customer_reviews/company/312/
・TDCフューテック株式会社
TDCフューテック株式会社では、若手社員のキャリア支援や離職防止を目的にKakedasを活用しています。社外のキャリアコンサルタントとの面談を通じて、若手社員がキャリアについて考える機会を提供し、定着支援につなげています。
詳しくはこちら:
https://corp.kakedas.com/customer_reviews/company/190/
キャリアコンサルティングの外部委託に関してよくある質問
キャリアコンサルティングを促進すると退職者が増えませんか?
キャリアコンサルティングは、転職を前提とするものではありません。従業員が自分の経験や価値観、今後の働き方について整理し、これからのキャリアを主体的に考えるための支援です。本音で悩みを話して内省が進むことで、「社内でまだできることがある」と気づくケースも多くあります。
社内で相談できない悩みが蓄積する方が、転職サイトへの登録や人材紹介会社への相談につながり、かえって離職リスクが高まる可能性があります。本音を話せる場を用意することが、結果的に離職防止につながるといえるでしょう。
キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーの違いは何ですか?
キャリアカウンセラーは、キャリア相談を行う人を広く指す一般的な呼称として使われることが多い言葉です。一方、キャリアコンサルタントは国家資格の名称であり、有資格者のみが名乗ることができます。
企業がキャリア面談を外部委託する場合は、国家資格キャリアコンサルタントが対応するサービスかどうかを確認するとよいでしょう。資格の有無だけでなく、法人向け面談の経験、対象者への理解、相談テーマに合った専門性があるかも重要です。
キャリア相談の内容は会社に共有されますか?
個人を特定できる相談内容は、企業側にそのまま共有されません。共有されてしまうと、「本音を話せる安全な場」ではなくなってしまうためです。従業員が安心して本音を話せる環境を守ることが、キャリア面談の効果を高めるうえで重要です。企業へのフィードバックは、個人を特定できない形で集約・分析されたレポートとして提供されるのが一般的です。
但し、サービスやプランによっては、面談の効果性は多少落ちることを前提に「本人の許諾を得た内容に関してレポートする」といった運用が可能なケースもあります。
キャリアコンサルティングの外部委託はどのような企業に向いていますか?
従業員のキャリア自律を促進したい企業に向いています。社内でキャリア研修を実施したり、キャリア自律に関する人事制度の整備と組み合わせて導入することで、より効果を高めやすくなります。活用方法としては、キャリア研修との組み合わせ、特定の対象世代への定期実施、挙手制の社外相談窓口など、自社の状況に合わせた設計が可能です。
Kakedasの料金はいくらですか?
従業員1人あたり月額1,000円から利用可能です。実施規模や希望するレポーティング内容、実施頻度などによって金額は変わります。自社の目的や対象層に合わせて、最適なプランの提案をしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ
キャリアコンサルタントの外部委託は、社内面談だけでは対応しにくい「本音を話せる場」を従業員に提供し、キャリア自律の促進や離職防止、エンゲージメント向上につなげる取り組みです。内製化と外部委託にはそれぞれ強みと課題があるため、自社の状況に合わせて組み合わせることが大切です。
委託先を選ぶ際は、国家資格キャリアコンサルタントが対応するか、マッチングの仕組み、レポートの内容、守秘性の体制などを確認しましょう。Kakedasは、4,661人の国家資格キャリアコンサルタントが登録する日本最大級のキャリア面談プラットフォームです。外部委託を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。