「キャリア自律」とは、従業員自身が主体的にキャリアを考え、行動していく姿勢のことです。終身雇用や年功序列を前提とした働き方が崩れ、転職が当たり前になった中で、企業が従業員のキャリア自律を支援する動きが広がっています。
記事では、キャリア自律研修とはどのような研修か、企業に求められる背景、研修内容や導入のポイントを解説します。
キャリア自律研修とは
キャリア自律が求められる背景
かつては、労働者は会社が用意したキャリアパスに沿って働くことが一般的でした。しかし成果主義やジョブ型が浸透し、また転職も当たり前の時代となり、従業員自身が主体的にキャリアを考え、行動していく力が求められるようになっています。
組織からすれば、優秀層の離職リスクは高まっていますし、より高度な知識労働が求められる中でエンゲージメント状況がパフォーマンスに与える影響も増えています。こうした流れの中で、キャリア自律、エンゲージメント向上の支援策としてキャリア研修を導入する企業が増加傾向にあります。
キャリア自律とキャリアデザインの違い
「キャリア自律」と「キャリアデザイン」は近い意味で使われますが、キャリア自律は「主体的にキャリアを考え行動する姿勢や状態」そのものを指すのに対し、キャリアデザインは「今後のキャリアビジョンや行動計画を描くこと」を指すことが多く、キャリア自律を実現するための手段のひとつと位置づけられます。
キャリア自律研修の内容
対象者に応じたマインドセット
キャリア自律研修では、まず対象となる年代や階層に応じて、「なぜ今キャリア自律が必要なのか」という前提となる考え方を伝えます。20代であればキャリア自律の考え方自体は既に持っていることも多いので、確認したうえで、キャリア形成に関する基礎的な考え方や時間軸を身につける。逆に、40代・50代は自律的にキャリアを作るということに慣れていない側面もあるため、時代背景の理解と経験を活かした新たな貢献の視点など、対象者の状況に合わせたマインドセットの醸成が重要です。
キャリア形成に関する基礎的な考え方
「キャリアは時間をかけて主体的に形成していくものである」という基本的な考え方、また「計画的偶発性理論」や「キャリアアンカー」などの基礎的な理論を実例を交えながら伝えます。短期的な視点にとらわれず、中長期的な視点でキャリアを捉える、同時に自分なりの軸をもって主体的に行動してもらう姿勢を養ってもらうことが必要です。
診断等も活用した自己理解
強みや価値観の診断ツールなどを活用し、自分自身の特性を客観的に理解する機会を提供します。診断等を活用すると自己分析などに慣れていない人も取り組みやすくなりますし、グループワークなども実施しやすいでしょう。自己理解を通じて強みや価値観を言語化することは、キャリアの方向性を考える土台になります。
制度やロールモデルの紹介
自社にどのようなキャリア支援制度があるか、またどのような先輩社員がキャリアを築いてきたかを紹介することで、受講者が自社での可能性を具体的にイメージできるようにします。社内で囲い込むようなアプローチは逆に反発を買う可能性が強いので、自社にあるフィールドや可能性を知ってもらうことが大切です。
キャリアビジョンの形成
自己理解や制度理解を土台に、今後のキャリアビジョンを言語化していきます。会社から役割や機会を与えられるのではなく、自分自身の意思で方向性を選び取る、また機会の獲得や自己研鑽に取り組んでもらうことが大切です。
キャリア自律研修を実施する効果
エンゲージメント向上
キャリア自律研修を通じて、「なぜこの職場でこの仕事をしているか?」という仕事への意味付けはエンゲージメントの根幹となります。同時に、研修を通じて「この会社は従業員のキャリアを考えてくれている」と感じてもらえうことも、会社への信頼やエンゲージメント向上につながります。
離職防止
キャリアへの漠然とした不安を放置しておくと、転職サイトへの登録など、離職につながるケースが少なくありません。キャリア自律研修は、こうした漠然とした不安と向き合い言語化し、今後の方向性を考えるきっかけを提供する場として、離職の抑制につながります。
キャリア自律研修を成功させるポイント
対象層の状態に応じたアプローチ
キャリア自律に対する意識や課題は、年代や階層によって大きく異なります。若手はキャリア自律の意識は高い一方で将来への漠然とした不安、中堅はマネジメントか専門性の選択や価値観の変化、管理職は自身のキャリア自律の意識が薄いまま部下のキャリア支援を求められるといった状況があり、対象層に応じたアプローチが欠かせません。
価値観の多様化への対応
現在、働き方や人生における仕事の位置づけは世代によって、個人によって大きく異なります。「上を目指す」といった画一的な方向性を前提にせず、多様な価値観を受け止められるプログラム設計が求められます。プログラムを気づきや価値観の言語化を進め、個別面談で行動への落とし込みなどをしていくアプローチが良いでしょう。
研修前後での個別面談
集合研修だけでは、個々の受講者が抱える事情まで踏み込むことは難しいものです。また上の世代になるほど、社内で本音は明かしづらくなることもあるでしょう。研修の前後に個別のキャリア面談を組み合わせることで、受講者一人ひとりの状況に応じたサポートが可能になり、研修で得た気づきが実際の行動につながりやすくなります。
Kakedasのキャリア自律支援プログラム
株式会社Kakedasでは、「強み」を軸にしたキャリア研修と、キャリア面談プラットフォーム「Kakedas」を組み合わせた、キャリア自律支援プログラムを提供しています。研修の前後にキャリア面談を組み合わせることで、対象層ごとに異なる課題に応じたきめ細かな支援が可能になります。
「Kakedas」は、国家資格キャリアコンサルタントの登録者数5,005人(2026年8月5日時点累計)という国内最大級の登録数を誇るキャリア面談プラットフォームです。登録者の中から選抜された約300人が面談を担当し、多様な業界・職種・年代の経験を持つキャリアコンサルタントが在籍しています。
【Kakedasキャリア自律支援プログラム】
https://corp.kakedas.com/product/career_autonomy_program
よくある質問
Q1. キャリア自律は転職を助長しませんか?
キャリア自律を促すことは、転職を助長するものではありません。従業員が主体的に将来を考えるきっかけを提供する取り組みであり、自社でのキャリア形成の可能性を認識できれば、むしろ定着につながります。オンライン上での転職活動が容易となった現在、漠然とした不安などを放置する方が離職防止にはマイナスです。
Q2. どの年代・階層を対象にすべきですか?
自社の課題に応じて対象を検討することをおすすめします。若手の早期離職が課題であれば若手層、管理職のマネジメント負担が課題であれば管理職層など、目的に応じて対象を絞ることで効果を高めやすくなります。
Q3. 経営層の理解は必要ですか?
はい、重要です。キャリア自律支援が組織の活性化や事業成長につながることを経営層と共有し、理解を得ておくことで、予算の確保や社内での推進力にもつながります。
まとめ
キャリア自律研修は、従業員が主体的にキャリアを考え、行動する力を養うための研修です。対象層によって課題や意識の状態が異なるため、それぞれに応じたマインドセットの醸成やアプローチが重要になります。研修前後の個別面談と組み合わせることで、学びを実際の行動につなげやすくなります。
キャリア自律支援の導入を検討している企業は、お気軽にご相談ください。
【Kakedasキャリア自律支援プログラム】
https://corp.kakedas.com/product/career_autonomy_program