INTERVIEW
今回登場されるのは、長きにわたり人事フィールドでご活躍されている植草智浩さんです。「企業で働く方々に対するキャリア支援がホームグラウンド」だと語る植草さんですが、独立直後にKakedasWorksの案件に参画し、新たな領域で有意義な経験を得ることができたそうです。Kakedasに登録した経緯や、利用して感じたKakedasWorksの魅力について伺いました。
プロフィールについて教えてください!
私は大学卒業後、新卒入社した会社にて、配属を受けて人事の仕事を経験しました。そこで人事業務の面白さに目覚めて、以降は長年にわたって人事畑で主なキャリアを積み上げてきました。
キャリアコンサルタント資格を取得したのは2018年です。当時は外資系組織コンサルティングファームで、日本法人の人事部門の責任者として勤務し、就業規則や各種制度の見直しを行っていました。
この会社は社員との距離が比較的近い環境だったのですが、社員と話せば話すほど「社員ともっとうまく関われるのではないか?」という課題意識を持つようになり、当時国家資格になったばかりのキャリアコンサルタント資格を取得することにしました。外資系企業でプロ意識の高い国内外の仲間と一緒に働く中で「自分も人事のプロとして、もっと専門性を高めたい」と感じていたことも一因です。
そんなことも経験しながら、採用や人材開発、人事制度や福利厚生の制度設計などあらゆる人事業務に取り組んだのち、総合人材サービス企業でのコンサルタントを経て2025年4月に独立。現在は、キャリアコンサルタントを主軸に、1対1の面談による支援や、企業・一般向けの研修・ワークショップなど、さまざまな活動を行っています。
Kakedasに登録したきっかけを教えていただけますか?
私は独立する直前にKakedasと類似するサービスを持つ総合人材サービス企業で働いていたため、当時から競合他社として注目し、Kakedasには良い印象を持っていました。なぜなら「相談のインフラを築く。」というミッションに深く共感していたからです。
近年、転職に紐付かないキャリアコンサルティングの重要性が認識されるようになりましたが、一過性のブームで終わってしまいそうな側面も私は感じています。提供側がキャリアコンサルティングの良さをユーザー側にうまく伝えられないまま、ブームが終わってしまうようなことになるのだとしたら、それはとても残念です。私は今後もキャリアコンサルティングが「相談のインフラ」として根付いていってほしいという思いを持っていますので、競合他社を退職後もキャリアコンサルタントを続けるならKakedasに参画したいと思いました。
また、外部から見て「キャリアコンサルタントが働きやすそうな仕組みだな」と感じていたことも登録した理由のひとつです。登録後、その予想が正解だったと分かりました。
KakedasやKakedasWorksを通してどのような案件に参画し、どのような経験を得られましたか?
独立直後の4月から数ヶ月にわたり、大学で開催される「就職活動ガイダンス」のサポート業務に参画しました。
私は50代後半ですから「この年齢で、大学生を対象とする案件に携わってよいのだろうか?」という迷いがありました。しかし、前職含めこれまで私が在籍した企業や関わった顧客企業の多くで「若手の早期離職」が課題に挙がっており、私自身、若手層に対して何か貢献できることはないだろうか、と考えていました。その点でいうと、この案件は社会人になる手前の大学生と触れ合うことのできる願ってもない機会です。また、大学で勤務されているキャリアコンサルタントや教授含め大学の方々とも何らかの形で関われたとしたら、私にとってきっと学びになるだろうとも期待し、思い切って参画しました。
案件がスタートしてから何校もの大学キャンパスに赴き、就職活動前後の学生たちと接する中で、さまざまな発見がありました。
例えば、ガイダンス中のグループワークなどで「あなたの強みを書き出してみましょう」という課題があったとします。社会人なら、時間内に紙に何かしら書き出すことをまずは優先する方も多いと思います。しかし学生は、紙に何も書き出せずに考え続けている様子も多く見られました。
社会では「結果」と「プロセス」のどちらも大事です。しかし、学生たちの姿を見て「社会で求められる『結果』や『アウトプット』のイメージがまだ湧かないうちは、結果の承認(紙に書き出した「何か」)よりもプロセスの承認(何かを書こうとして思考を巡らせる「過程」)のほうが重要かもしれない」「社会人は結果重視になりやすいからこそ、プロセスに対する承認の比重を意識的に上げたほうがよいのではないか」など、今後に活かせるような気づきをもらいました。オンラインではなく実際にキャンパスに出向き、多数の学生とリアルで接することができたからこその収穫だったと思います。
KakedasやKakedasWorksの使い勝手はいかがでしょうか?
今回初めてKakedasWorksの案件に参画しましたが、とてもスムーズにジョインし、トラブルもなく案件の区切りまで業務に集中して仕事することができました。
大きな要素として、KakedasWorksのきめ細やかなサポート体制が挙げられます。案件が始まる前から十分な量・質の情報共有があり、稼働が佳境を迎えている最中も、タイムリーなリマインドや最新情報の共有など、たくさんのフォローをもらいました。日々のやりとりから、1人1人の登録者に対し、案件への不安や不明点がないようにと、ご配慮いただいていることが伝わってきて嬉しかったです。
似たようなキャリアコンサルタント向けプラットフォームの中でも、働きやすさは段違いだと思います。
また、Kakedasは今後も新規事業や既存サービスの改善など、さまざまな取り組みを検討しているようで、キャリアコンサルタントの私たちの意見を聞いてくれるなど、「働く仲間」として扱ってくれています。こうした関わりの姿勢もとてもありがたく感じています。
KakedasWorksを利用してみて、植草さん自身のキャリアイメージにどのような変化がありましたか?
今回KakedasWorksで、私にとってこれまでとは異なるタイプの案件に携わったことで、自分の仕事の幅が広がる予感がしています。実際、普段からご厚意にしていただいている方々や周囲の仕事仲間から「そういう現場を経験したなら、こんなこともできない?」などと、声をかけてもらうことが増えました。
元々、さまざまな業務に携わりたくて独立しましたので、今回の案件参画をきっかけに、申し分のないスタートダッシュを独立と同時に切ることができました。
植草さんにとってのKakedasやKakedasWorksの仕事の価値について、教えていただけますか?
私はこれまで、企業内で働く方々のキャリア支援に携わることが多かったため、キャリア支援が自分のホームグラウンドだと思っています。しかし、独立した今、キャリアコンサルタントとして企業との接点が持ちにくくなったのも事実です。そのため、企業からの依頼窓口となってくれるKakedasやKakedasWorksは、私にとって必要不可欠な存在だと感じています。
近年は「AIが人の仕事を奪う」といったことも言われますが、私はこれまで人事の仕事を通して、各時代におけるさまざまな変化や課題に取り組んできました。その変化や課題が今は「AI」ということであって、「AIがキャリアコンサルタントの仕事を奪う」という単純な話ではないと思います。今後もキャリア支援の仕事を通して自分をアップデートさせながら、キャリアコンサルタントに限定せず、さまざまな役回りで活動していきたいと思います。
植草さん、貴重なお話をありがとうございました!