INTERVIEW
年間100件以上の面談を担当される高瀬さんですが、実はKakedasに登録する前は、キャリアコンサルタントとして有償で面談した経験はなかったそうです。高瀬さんがKakedasを知ったきっかけや、キャリアコンサルティングを仕事にしてみての感想を教えていただきました。
ー自己紹介をお願いいたします!
社会福祉系の大学に入学後、大学では臨床心理学を学びました。それが今のキャリアカウンセリングの仕事に結びつくのですが、卒業してカウンセラーになったわけではありません。大学卒業後は現在にいたるまで、インフラ系、主にはサーバーエンジニアとして就業しています。
インフラ系のITエンジニアである傍らで、産業カウンセラーの資格や、今の国家資格キャリアコンサルタントの前身となる資格、またSNSカウンセラーの資格を取得しました。
Kakedasさんとは、2020年に登録してから約4年ほど経ちます。丸4年活動するなかで、延べ100名以上の相談に乗ってきました。今はもう1社、別のところで転職相談にものっております。
エンジニアとして働かれる傍ら、キャリアコンサルタントを取得したきっかけについて教えていただけますか?
大学卒業後、インフラ系エンジニアとしてずっと働いていたのですが、30歳になった頃「このままでいいのか?」と思うときがありました。私自身、大学時代には社会福祉の分野を専攻していたこともあり、「人の役に立ちたい」という思いがずっとありました。
そこで、取得したのが産業カウンセラーの資格です。産業カウンセラーの資格を取得したのは、実はエンジニアのメンタルダウンをなんとかしたいと思ったことがきっかけです。ITエンジニアはメンタルダウンされる方もすごく多く、何か助けたい、メンタルダウンするエンジニアを減らしたいという思いがありました。ただ、メンタルダウンする方というのは症状が重い方もいるので、私自身がそうした方のカウンセリングをしていいのかという疑問もありました。
そうした中、産業カウンセラーを学ぶうえで、キャリア理論やキャリアコンサルティングというものを知りました。キャリアコンサルティングだったら、「いま元気に活動している方たちが、さらに生き生きと活動するためにはどうしたらいいかを一緒に考えていくことができる」という点で惹かれ、キャリアコンサルタントを目指していくことにしました。
当時は産業カウンセラーの資格を取っていれば、10時間ほどの特別講習を追加で受けることでキャリアコンサルティングの資格を取得することができました。それであれば、取ろうと思い、キャリアコンサルタントとなりました。
Kakedasを知ったきっかけについて、お話いただけますか?
私自身がITエンジニアなので、日頃からエンジニアが読むようなwebページ、IT系ニュースを見たりチェックしたりしています。Kakedasを知ったのは、ちょうどコロナ前です。2019年の10月頃に、Kakedasがベータ版を始めるという記事を偶然見つけました。
その時、「これだ。」と思いました。ある種、キャリア理論の中でいうプランド・ハップンスタンス(計画された偶発性理論)ですね。Kakedasのことを調べて、すぐ登録しました。
偶然だったんですね!利用されてみて、Kakedasの魅力ややりがいについてどう感じますか?
オンラインでキャリアコンサルティングができるのは、とても魅力的だと思います。平日は会社で仕事をした後、家に帰ってきて、そのまま自宅でカウンセリングの仕事をしています。子供が今保育園に通っていますが、エンジニアの仕事、子育てとの兼ね合いも考えると、自宅で仕事ができることは改めてメリットだなと感じています。
あとは、Kakedasでの面談は、「人の成長の一端を見れる場所」でもあると常々思っています。
例えば、社会人になりたての20代の方が入社した直後に面談して、その後も継続的に面談する機会がありました。はじめはまだ学生気分だったクライアントが、回を重ねるごとに徐々に社会人らしくなって、「いつまでにこれをやらなきゃいけない」とか「こういった目標を定めてみたい」といった話もするようになっていきました。最後には「また高瀬さんとお話したいです」と言っていただいてとても感動して、こうした喜びがあるからキャリアコンサルティングをやっていけるのだと思いました。
他にも、私より上の世代、50代60代の方で、面談当初は「いや、このままでいいよ」とずっと言っていた方がいました。その方が、「何か挑戦してみようかな」と言ってくれたときも、キャリアコンサルタントとしてのやりがいをすごく感じました。
素敵なお話ですね!
実は、Kakedasをやる前は、ボランティアで20分のカウンセリングや、練習という形で50分でやったことはありましたが、60分のカウンセリングは経験がありませんでした。ですから、Kakedasでの初めての面談のときは、どうしようかなと思っていました。
初めてのキャリア相談は、いかがでしたか?
まず最初はクライアントのことを知るために、クライアントの方から相談リクエストがあった際に届くプロフィールを細かく読み込みました。今でも、相談開始の30分程度前から準備の時間を取って、(クライアントの方が所属する)会社の情報もできるだけ読むようにしたり、どういう立場の方なのかを自分のなかで像を描くようにしています。
ただ、実際に60分のカウンセリングをやってみると、クライアントの方に本気で興味を持って話を聞いていくと、20分でも40分でも60分でも変わらないのだなと思いました。「この人はどんな人だろう?」とわくわくしながら話を聞いていくと、60分のカウンセリングもあっという間ですね。
あとは、初めてキャリア相談を実施する時は、「相性がいい方がクライアントとして来る」安心感はあったなと思います。
Kakedasのマッチングの仕組みが、安心感にも繋がったのですね。
そうです。Kakedasでは、性格診断をキャリアコンサルタント・クライアント双方が事前に受けたうえで、AIマッチングされるという仕組みになっています。そのおかげで、こちらも安心して話せるところもありますし、クライアントの方にとっても安心感があるのではないかと思います。実際、クライアントさんが全く合わない・全く話せない方だったということは、これまでほぼないですね。
他に、Kakedasを利用してよかったなと思う点はありますか?
学んだことを、対価をいただいて実践するという点も含めて、実践経験を積めたことは、良かったです。
対面でのカウンセリングの機会というのは、実務経験や人の伝手がないと、なかなか踏み込めない領域というかハードルが高い領域だと感じます。
しかし、Kakedasでは伝手がなくても実践の機会を得られる。また、Kakedasの中では、最初は全員が同じ状態・フラットな状態からスタートするので、そういった意味では初めての人でも入っていきやすいかなと思います。
対価をいただきながらの実践経験を積んで、どのような学びや気づきがありましたか?
やはり学んできたことと実践経験がリンクするようになりました。例えば、実践しながら「システマチックアプローチ(キャリアコンサルティングの流れに関する理論)でいうと、今この段階だな」と理論やフレームワークに当てはめて考えられるといった形です。
一方で、100人のクライアントがいれば、100通りのやり方があるんだなと思うようにもなりました。相手の方を見ながら、臨機応変に関わっていくことが大切なんだなと。そのためには経験値を重ねていって、能力を高めていくことが一番なのだろうなと、最近は思っています。
最後に、高瀬さんにとってKakedasのミッションである「人生の主人公を増やす」の「人生の主人公」を言われて何が思い浮かびますか?
難しいですね。ただカウンセラー・クライアントといった関係でいくと、私は、カウンセリングにおける主人公はクライアントだと思っています。だからクライアントが、そのときに話したいことを話していただく。そのためにカウンセラーは、話したいことを話せるよう雰囲気づくりをすることが、カウンセラーの第一の使命なのかなと思います。