INTERVIEW

Kakedas利用者の声。
50代社員のキャリア形成と社員の本音を知るためにKakedasを導入
50代社員のキャリア形成支援を目的に、人材開発施策の一つとしてKakedasを導入されたパチンコ業界最大手のマルハン様。同社は、1993年に新卒採用を開始。2030年以降は、新卒入社して以来長く会社を牽引してきた50代社員が、段階的に60歳役職定年を迎えていきます。『人財の流動性を高める』という人事戦略を掲げるなか、50代社員のキャリア形成に関する人事施策を検討していくにあたり、シニア世代を対象にKakedasを導入。人財の能力開発・組織開発に力を入れてきた同社が、Kakedasを導入するに至った背景や目的をCHRO武田様、人事部の大長様・林様にお話いただきました。
今回インタビューした企業
株式会社マルハン
業種
アミューズメント
規模
3,000名以上
URL
https://www.maruhan.co.jp/
1957年に創業、社員数は10,687名(2024年3月現在)。パチンコ、ボウリング、アミューズメント、シネマなどレジャーに関する業務の経営、ビルメンテナンス事業、飲食事業、ゴルフ事業、海外金融事業なども経営。 2021年には東日本・北日本・西日本・金融から構成する社内カンパニー制へと移行し、その結果、東日本カンパニーでは移行後の3カ年で11の新規事業が誕生。2023年にはカンパニーの新たなパーパスとして『人とつながりの力で、人生100年時代に生きるヨロコビを創造する。』を掲げる。 パーパスに紐づく人事戦略(2024〜2030年)は、『人財の流動性を高める』。多様な経験を糧に、強みを持って幅広い事業で活躍できる人財を創出することを掲げる。採用・配置・代謝といった人的リソースフローを構築し、人財の能力開発・組織開発に力を入れている。年に1度のキャリア申告・定期的な1on1・感謝を送り合う「イズムの種まき」など、様々な人事施策を行う。

Q. Kakedasを知ったきっかけは何でしたか?

ジェイックさん(Kakedasはジェイックグループの一社です)の研修カリキュラムの一つとして、Kakedasが組み込まれていたことが知ったきっかけです。

その後、Kakedasを研修受講者以外にも活用・応用できないだろうかと考えた結果、50代社員を対象にKakedasを試験的に導入する運びとなりました。

Q. どのような課題があり、Kakedasを導入されたのでしょうか?

会社としての組織課題は、大きく2つありました。新卒入社の3カ年定着率と、50代人材の60歳以降のキャリア形成に関するものです。どちらについても課題解決に向けて、問題を具体的に把握するために、社員の本音を正しくヒアリングする必要がありました。

前者の課題に関しては、数年前からキャリアコンサルタント有資格者をキャリアエージェントとして組成し、卒業生への面談をはじめ、パルスサーベイの実施と定期的な20代社員への面談を実施してきました。結果として、効果的な施策を打つことができ、新卒3カ年定着率は、改善の方向に向かっています。

一方、後者の50代人材のキャリア形成の課題に関しては、社内のリソースだけでは社員の率直な声を把握しづらい現状がありました。現在の50代社員は、1993年以降に新卒入社して以来会社・業界を牽引してきたメンバーで、エリア長や店長といった要職についている社員も多くいます。長年マルハンを牽引してきた50代社員の立場に立って考えてみると、自身よりも社歴の浅い人事担当者に本音はなかなか吐露しづらいだろうとも想像しており、会社として本音を話せる環境整備をどのように行っていくか検討していました。

ー「50代人材のキャリア形成」に関する課題を、もう少し詳しく教えていただけますか?

今後、役職定年を控えている今の50代社員がポストをバトンタッチした後のキャリアについて、会社としてどのように示していくかを模索していました。社内で次世代リーダー育成のメッセージが発信されている中で、「60代以降何があるのか?」「60代以降働けるポジションが出てくるのか?」といったキャリア形成に関する疑問(や不安)があるであろうと想定はしてはいたものの、会社として明確な方針はまだ開示していませんでした。

そうした中、まずは社員の本音をバイアスをかけずに客観的に把握するために、どのような方法がよいかを検討していました。

会社としては、これまで会社や業界を牽引してきてくれた50代社員に対して黄昏研修のようなものをするのではなく、「まだまだいけるぞ!」と思ってもらえる仕組みを作っていきたいと考えています。また、キャリア形成に関する施策を社員の声をもとに検討していることを、社員にきちんと示したいとも考えていました。

補足になりますが、弊社は3年ほど前からカンパニー制へ移行し、3年間で11の新規事業が立ち上がっています。2025年時点では、成長期のスタートアップ事業ですが、2030年には安定期に入ってくるような事業もあります。従って、その頃には60歳以降でも今までの経験を生かして働いていただけるポジションも出てくる想定です。

そうした将来も見据えて、2027年頃までにはそうしたポジションの要件も開示し、どのようなスキル・能力・経験が求められるかを社員が把握していける流れを作っていきたいと考えています。そうすることで、社員は逆算してキャリア形成のために努力していきやすくなると思いますし、自分ができることに注力しやすくなるはずです。

「今まで貢献してきた会社をさらに大きくしていきたい」と思ってもらい、前向きに社員が働ける環境整備をしていくためにも、やはり社員の本音を知ることが重要だと考えていました。

Q. 課題の解決策として、Kakedas以外にどのような方法を検討されましたか?

社内の人事担当者(キャリエージェントもしくは、HRBP)が面談をすることも検討していました。アンケートではなく面談という方法を検討していた理由は、数値や文字だけでは真意が分からず、社員の声を正しく把握できないと考えたためです。

一方で、先程お伝えしたように、人事からのヒアリングでは50代社員は本音を吐露しづらいだろうと考えていたこと、今の弊社にはキャリア支援を専門にする部署がないこともあり、社内リソースでの面談実施にはなかなか踏み切れずにいました。

Q. なぜKakedasを利用しようと思いましたか?

コミュニケーションのプロフェッショナルである外部のキャリアコンサルタントに面談を実施いただくことで、客観的に、バイアスをかけず社員の声を把握することができると考えたからです。

社内で面談を実施しようとすると、先程お伝えしたように社員の本音をそもそも聞ききれない可能性があることに加え、どうしても社内のバイアスがかかってしまいます。

現在地を正しく把握できていないと、会社としてズレた施策を打ってしまうことになりかねません。ですから、施策を検討している今のタイミングで、組織課題に関する仮説が社員の感じている課題感とずれていないかを確認するためにも、Kakedasを導入しようと考えました。

Q. Kakedasを導入して、どのような成果・手応えがありましたか?

今回、Kakedasの面談を50代社員87名に受けてもらった結果、社員のキャリアに対する考え・本音について、全体傾向を掴むことができました。

分析レポートの結果を見ると、基本想定通りで仮説は大きくはずれていないことを確認できました。内容は想定通りではありましたが、社内だけだとどうしてもバイアスかかってしまうところではあったので、社外の方にフラットに見ていただけたこと自体に価値があったと感じています。

また、次世代へのシフトが会社のメッセージとして発信され、若い社員に投資していこうという流れがある中で、「50代のキャリアも考えてもらえていることが伝わる」「50-60代のことも見ている、置いていかないよという会社からメッセージが伝わった」というコメントもありました。Kakedasの面談実施を通して、会社としての意図やメッセージが、少しでも伝わっていることは嬉しく思います。

Q. 今後、Kakedasをどのように活用していきたいと考えていますか?

既にKakedasでの分析レポートを踏まえ、人事から社内の面談実施者に詳しくヒアリングを実施し、具体的な面談のサマリーとして全体の傾向を得ることができました。

今後については、例えば50歳になったタイミングで、まず社外のキャリアコンサルタントの方に面談してもらうといった仕組みが、私はあって良いと思っています。キャリア面談の機会があることで、社員が意識的にリスキリングしていく機会にもなると思っています。

また、会社にとっても定期的にヒアリングすることで、50代社員に向けた施策が機能しているかどうかを確認できることに加え、施策をアジャイルに変えていくことができると思います。

今の50歳と、次50歳になる今の49歳の声はもしかすると違うかも知れませんし、そうすると人事施策も少しずつ変えていく必要があります。施策は1回実施して終わりではなくて、状態を振り返り、変えていくことが大切です。その際に、社内ではなく社外のキャリアコンサルタントの方に、フラットに面談してもらうことが仕組みとしてあったらよいのではないかと考えます。

Q. どのような企業、担当者の方にKakedasの利用をおすすめしたいですか?

キャリア支援において課題を抱える企業で、現在地を把握したいと考える担当者の方におすすめします。フラットな視点で外から社内を俯瞰して見ることができるので、他社比較含めて、経営層へのレポートを行う際などに活用することができます。従業員の本当の声を聴いて会社が何をしたいのかを立ち返る際、特にその過程において社内では深掘りが難しい面談を実施する必要がある際は、外部に頼るのは一つの手であると考えます。

ただし、Kakedasの面談施策をぶつ切りの人事施策に終わらせず、経営のストーリーにしていくためには、導入の目的を明確にしていくことが大事だと考えています。というのは、従業員のために施策を展開するにあたっては、従業員の本当のニーズを正しく把握していかないと施策がうまく機能しないからです。 従業員が求める体験価値が、一体何なのか、正しく知ったうえでアクションを起こさないと、施策は絶対にずれてしまいます。その点、従業員の本音を正しく理解したいという目的で導入を検討されている企業にとって、Kakedasの仕組みは大きな一助となると感じています。

Q. Kakedasを利用してよかったと感じますか?

繰り返しになってしまう点もありますが、まずはフラットに話を聞いていただき、社員の本音が集まっているところが良かったです。

また、分析レポートで他社平均と比較した際に、良い傾向が出たこともよかったことの一つです。もちろん、年齢や役割・職位によって傾向は異なってくるかとは思いますが、そうしたことも加味したうえで分析レポート結果を見ていくことは、組織の状態を把握していくうえで大変参考になりました。

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